ヒラズゲンセイ- ツチハンミョウ科 -

ヒラズゲンセイの写真
分布
ヒラズゲンセイは本州の近畿から南の地域や四国、九州、西南諸島の島々などに分布しており、以前は本州にはいないとされていましたが1990年ごろから近畿や中国地方でも多く確認されるようになりました。
海外においてはタイなどの東南アジアで確認されています。
生息場所
平地から丘陵にかけての地域。
広葉樹の生えた林の周辺で見られますが、街中や民家などでも生息が確認されています。
木材に住み着いていたという情報もあります。
季節
6~8月の夏の暖かい時期
一般的には7月中旬ごろまで活動している事が多いようです。
ヒラズゲンセイの幼虫の写真
その他の名称
平頭芫青、トサヒラズゲンセイ
学名:[Cissites cephalotes]
全長
18~30mm
食べ物
 
越冬態(えっとうたい)
サナギ
特徴
ヒラズゲンセイは一見すると赤いクワガタムシのような印象を受けますが実際にはクワガタ科ではなくツチハンミョウ科の昆虫です。ツチハンミョウ科の昆虫の体や脚の関節から分泌する黄色い体液にはカンタリジンという有毒物質が含まれ、皮膚に付くと炎症を起こす事があるので触れないように注意する必要があります。

分布域では自然の豊かな場所だけでなく、街中で活動している事もあるので昆虫が好きな子供などが触ってしまうようなケースもあるようです。
万が一、ヒラズゲンセイは触れてしまった場合はなるべく早く水で洗い流した後、症状があらわれていなくても皮膚科などで受診する事をおすすめします。

外来種だと言われている場合もあるようですが日本に入ってきたのは100年近く前の事と言われている為、外来種とは言えないのではないかとも言われているようです。

ヒラズゲンセイは雌雄で見た目が異なり、オスは頭部と大顎が大きく、メスは腹部が長いなどの違いがあります。

一部では毒を持った危険な種だという認識が広がっているので駆除しようとする動きもあるようですがヒラズゲンセイは生息数の少ない貴重な昆虫でもあるので県の準絶滅危惧種に指定され保護されている地域もあります。
このような理由から現状では駆除したりせずにできるだけただ見守るという対応が推奨されています。
幸い、ヒラズゲンセイは毒を飛ばしたり人に向かってくるような事もないとされているので発見しても必要以上に警戒する必要はないようです。