ジャコウアゲハ- アゲハチョウ科 -

ジャコウアゲハの成虫のメス
ジャコウアゲハの成虫のオス
分布
ジャコウアゲハは日本国内においては本州、四国、九州などに分布しています。東北の地方の寒い地域や北海道では殆ど見られません。
海外では台湾、中国の東部、朝鮮半島などの東アジアの国々でも確認されています。
生息場所
おおよそ山地や平地などにある森林、農地、河川、草原などで生活しています。
季節
4月~9月。春の中ごろから秋の始まり位の季節まで活動しています。
ジャコウアゲハの成虫のメス2
ジャコウアゲハの幼虫
その他の名称
麝香鳳蝶、麝香揚羽
英名:[Chinese windmill]
学名:[Byasa alcinous]
全長
75~100mm
食べ物
幼虫はウマノサザクサ、オオバウマノスズクサ、リュウキュウウマノスズクサなどのウマノスズクサ科の多年生のつる植物を食べます。
越冬態(えっとうたい)
サナギ
特徴
ジャコウアゲハは比較的、暖かい地域に住むアゲハチョウ科の蝶で日中に低い場所をゆっくりと優雅に飛ぶその姿からかつては「山女郎」と呼ばれていた事もあったそうです。

翅の後部に細長い突起が見られ、翅の形などがオナガアゲハに似ていますが腹部に赤色の帯状に連なった斑紋がある事などが異なっています。また、ジャコウアゲハはオスとメスで翅の色が異なる蝶でオスの翅は全体的に暗い灰色ですが、メスはオスよりも翅色が明るく、薄い灰色くらいの色をしており、翅の外側は黒色の帯で縁どられています。翅の形についても雌雄で違いがあり、メスの方が翅の後部にある細長い突起が長く、翅の内側が少し膨らんでいます。
しかし、メスの翅の色に関しては南の地域に住む個体ほど濃くなる傾向があるようです。

和名であるジャコウアゲハという名前はオスの成虫が腹部の端の穴から麝香(ジャコウ)のような匂いを発生させることに由来しています。
このオスが発する麝香のような匂いはメスを引き寄せるという役目をもっているようです。この匂いの成分はフェニルアセトアルデヒドであることが判明しています。