カラスアゲハ- アゲハチョウ科 -

カラスアゲハ1
カラスアゲハ3
分布
カラスアゲハは北は北海道から南は九州まで、日本全国の広い範囲に分布しています。
生息場所
丘陵や山の湿った場所や森、渓流沿いなどに主に生息しています。人家の密集地などでは殆ど見られる事はありません。
しかし、現在では食草がある場所では都市部の公園などでも確認されるようになってきています。
季節
4月~9月
春にも活動していますが春はあまり目立たないと言われています。
また、厳密には活動時期は春の4~5月と夏の7~8月の2つに分かれています。
カラスアゲハ2
カラスアゲハ4
その他の名称
烏揚羽、カラスアゲハチョウ
英名:[Chinese peacock]
学名:[Papilio bianor]
開張
80~120mm
食べ物
幼虫の主な食樹はミカン科サンショウ属の落葉樹であるカラスザンショウなどです。
その他にもミヤマシキミ、カラタチコクサギ、コクサギ、キハダ、サンショウなどのミカン科の植物の葉も食べます。
越冬態(えっとうたい)
サナギ
特徴
カラスアゲハは名前の「カラス」の部分のイメージ通りの黒っぽい翅を持つアゲハチョウ科の蝶で黒い翅には青緑色に輝く鱗粉を一面につけていて地の色である黒の美しさを一層ひきたてています。チョウをつけてカラスアゲハチョウと呼ぶ事もあるようです。

オスとメスで翅に違いがあり、オスは前翅の後ろ側の角近くに黒いビロード状の毛があり、後翅の裏側の外側には三日月形の赤い縁飾りが複数見られます。この縁飾りはメスにもありますがメスの場合は翅の表側にも表れるという違いがあります。

成虫は春から秋にかけての季節に活動していますが夏になると活発に活動するようになるので山に行けば山道などで多くの個体が吸水している姿を見かける事があります。
活動時間帯は日中で基本的にはやや高い場所を軽快に飛行し、クサギ、ツツジ類、ネムノキなどの植物の花に止まります。

カラスアゲハとよく似た種類の蝶としてはミヤマカラスアゲハや沖縄本島に住むオキナワカラスアゲハ、西表島に住むヤエヤマカラスアゲハなどがあげられます。
沖縄県に住むオキナワカラスアゲハとヤエヤマカラスアゲハはカラスアゲハと同じ種類の蝶として扱われていましたが現在は別種として扱われるようになりました。

ミヤマカラスアゲハとカラスアゲハの大きな違いとしてはミヤマカラスアゲハの後翅の裏面の赤い縁飾りの内側に白い帯状の模様がある点などがあげられます。
しかし、夏型になると白い帯状の模様は薄くなるため、注意が判別には注意が必要です。
その他の違いとしてはカラスアゲハは前翅の裏面にある白い模様が三角形に近いのですが、ミヤマカラスアゲハは直線的になっている点が異なっています。

尚、カラスアゲハは個体数の激減しているミヤマカラスアゲハとは異なり、良好な生息状況を保っている蝶で多くの個体が日本国内の様々な場所に広く分布しています。