コノハチョウ- タテハチョウ科 -

コノハチョウ1
分布
コノハチョウは暑い地域にしか生息していない蝶で日本国内では沖縄本島、沖永良部島(おきのえらぶじま)、石垣島、西表島、徳之島などの南西諸島の島々にしか分布していません。
海外においてはインドの北部、インドシナ半島、中国、台湾などに分布しています。
生息場所
丘陵から山地にかけての森の中や渓流の近くなどに生息しています。
季節
春から秋、または一年中
活動が活発な時期はありますが生息地域であれば、ほぼ一年中、成虫を見る事ができます。
コノハチョウ2
その他の名称
木葉蝶
英名:[Orange Oakleaf]
学名:[Kallima inachus]
開張
70~85mm
食べ物
オキナワスズムシソウ、セイタカスズムシソウなどを食べます。
越冬態(えっとうたい)
成虫、幼虫
特徴
コノハチョウは名前にある通り、翅の裏側がまるで木葉のような模様になっている蝶で、この模様は天敵などから隠れる為の擬態の役目を果たしていると言われています。翅の表側は色彩が非常に鮮やかで美しく裏側の地味な木葉模様とは全く印象が異なるというユニークな特徴をもっています。

コノハチョウは翅の形に特徴があり、前翅の上端が突き出ており、後翅の下端は細長く突き出ています(この翅の形の特徴もまるで木葉のようです)。また、前翅の表側の中ほどの位置に非常に目立つ黄色から橙色をした大きな帯状の模様が見られます。

成虫は日中、アカメガシワなどの樹液や腐った果実、動物の死骸などの餌を求めて高所を素早く飛行し、林縁や林冠で占有行動を取ります。

木の枝などに止まっている際は翅を閉じている為、翅の裏側しか見えない状態となるので一枚目の写真のように完全に枯れた木の葉っぱにしか見えない状態となります。このような擬態を行う昆虫はたくさんいるのですが、どうやってこのような形と模様が出来上がるのかは未だに謎のままです。

コノハチョウの生息可能な自然環境が減少していますが生息環境の変化が個体数に影響があったのかどうかは不明です。