テングチョウ- タテハチョウ科 -

テングチョウ1
テングチョウ3
分布
テングチョウは国内の北海道から沖縄まで全国的に分布しているとされていますが現在では北海道や東北地方など寒さの厳しい地域では殆ど見る事ができないと言われています。
また、海外では台湾や朝鮮半島など東アジアで生息が確認されています。
生息場所
平地から山地にかけての地域に生えている広葉樹林の中や農地や河川、市街地の中にある公園や神社など食草のある様々な場所に生息しています。
季節
3月中旬~6月下旬。
テングチョウの成虫は春から夏の始めの時期に見られ、年に2回に分けて発生する事もあります。
テングチョウ2
その他の名称
天狗蝶
英名:[Nettle-tree Butterfly]
学名:[Libythea celtis]
開張
40~50mm
食べ物
エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキなどを食べます
越冬態(えっとうたい)
成虫
特徴
テングチョウはその名前があらわす通り、頭部の先端が天狗の鼻のように長く伸びたタテハチョウ科の蝶で生息域が広く北海道を除く地域ではほぼ全国的に分布している為、比較的、見る機会の多い蝶だと言えます。

翅の表側は全体的に濃い褐色をしており、葉か程の位置に橙色をした大きな模様がありますが、この模様はメスの方がオスより大きくて色もハッキリとしており、オスの個体はやや不明瞭な事が多い傾向にあります。
また、翅の裏側は薄い褐色で全体的に枯葉のような模様があり、翅の中央部には黒っぽい色をした条線が見られます。

テングチョウの成虫は日中に行動し、色んな種類の花や樹木などを訪れる為にあまり人目につかない高い場所を素早く敏速に飛行しています。

テングチョウはアメリカで化石が発見されている事からかなり古い種類であるとされており、欧米においても和名であるテングチョウと同じように鼻の蝶と呼ばれている事もありますが、鼻の様に見える先端の突き出した部分は口の一部となっています。

水気の溜まっている地面などで給水している姿を見る事がありますが、羽化直後は特に水を必要とするようで集団で給水を行っている事もあります。